渡邊穣のブログ

おもにヴァイオリンに関する事, 時々その他

ヴァイオリンの諸々 (1)

読むべき本

昔にある楽器屋さんに行った時、店に本が10冊ぐらい積み上げてありました。
見てみたら、なんとそれは私が学生時代にヤマハで出会った洋書、一度はしっかり読んでみたいと思っていた、"The Way They Play" という本の和訳本だったのです。
「私の演奏法 名演奏家と指導者へのインタビュー」という題の本です。
和訳本はそこの店が作ったものでした。

狂喜した私に、社長さんがなんとその本をプレゼントしてくれたのです。
原書は10巻ぐらいに及ぶものでしたので、第2巻はいつ出るのですか、と尋ねたところ、
「第1巻で終わりです。全然売れませんでした。大赤字です。今の学生は本を読んで勉強しようなんて人はいないんです。」
なんとも痛ましい残念な返事でした。
原書は今でも手に入りますから、興味のある方は読んでみてください。

さて、今回の話題、読んでおいて欲しい本、それは
「ヴァイオリン奏法」 レオポルト・モーツァルト
「フルート奏法」 クヴァンツ
「正しいクラヴィーア奏法」カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ
この三冊です。

私のお弟子さんで、これらの本を読んだことがある人は1人もいませんでした。 ダメです。

私の学生時代は古楽奏法が珍しい時代でした。Bachの曲は書いてある通りのリズムを正確に弾くべし、という時代でした。
現代は、もう遥か20〜30年ぐらい前からその考えは通用しなくなっています。
巷にはBachの解釈本などがたくさんありますが、それらの本を客観的に読み、判断するためにも、音楽家にとっては世界遺産とも言うべき、この三冊の本を是非読んでおいてください。

ついでに、もう2冊の雑誌を紹介します。
"Strad"
"Strings"
どちらも英語の洋書です。電子版でも購入できます。辞書を片手に読んでみてください。
最先端の最も信頼できる記事を読むことができます。