渡邊穣のブログ

おもにヴァイオリンに関する事, 時々その他

初期教育の問題点 (1)

今回の題を書く前に、以前の項目についての追記を書いておきます。今回の題にも関係がありますし、ご質問を頂いた方の答えにもなるかと思います。

「音程を学ぶ」という題で書いてきた文は、説明が足りなくて解りにくい部分が多々あると思います。
たぶん、これらの文章を読んで内容を理解していただいた方は、すでに知識を持った大学生以上の人であるはずです。

でも、これらのことを実際の音と知識として一番必要としているのは、習い始めの子供達です。これは私自身の体験から、そう言えます。
私はヴァイオリンを習い始めた頃に、自分が楽譜どおりに弾いている音以外の、音程を伴った雑音が聞こえることに悩んでいました。
子供の頃、同じ事に疑問や悩みを持っていた方はいらっしゃるでしょうか?

雑音と思っていたものが倍音であることを知ったのは、かなり後のことでした。
どう活用すべきかを知ったのは、さらに後です。
倍音のことについては、初期教育の間に、遅くとも7~8歳ぐらいまでには教えるべきではないでしょうか。 私は教えておいてほしかったと自分で思うのです。

倍音に関しては、音で教えれば子供の方が簡単に身につけられるでしょう。子供は知識と経験がないので判断ができないのですが、聴力は敏感です。
用語は覚える必要がありません。
旋律的音程は経験を積むことによって身についていきます。(民族性の違いもあるように感じます)。
子供に対する接し方としては、高い低いと教えるより、今のバランスは綺麗だったとか、何と何の音程のバランスがよくないとか批評して、子供自身の創造性を促した方が良いと感じます。