渡邊穣のブログ

おもにヴァイオリンに関する事, 時々その他

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

初期教育に起因する問題点 (2)

「その左手では将来弾けなくなりますよ」 私は大学生の時にザルツブルグでシャンドール・ヴェーグのレッスンを受けたことがあります。その時に次のように言われました。 「今は若いからその左手のフォームでも弾けるでしょう。そのまま練習をしてコンクール…

初期教育の問題点 (1)

今回の題を書く前に、以前の項目についての追記を書いておきます。今回の題にも関係がありますし、ご質問を頂いた方の答えにもなるかと思います。 「音程を学ぶ」という題で書いてきた文は、説明が足りなくて解りにくい部分が多々あると思います。 たぶん、…

ヴァイオリンの諸々 (1)

読むべき本 昔にある楽器屋さんに行った時、店に本が10冊ぐらい積み上げてありました。 見てみたら、なんとそれは私が学生時代にヤマハで出会った洋書、一度はしっかり読んでみたいと思っていた、"The Way They Play" という本の和訳本だったのです。 「私の…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (13)

半音の幅の違い 「音程を学ぶ」という題で書き進めてきましたが、これらは私がレッスンで話している中から、音程に関することで、文章にしても誤解のないことをまとめてみました。 これによってレッスン中の雑談の時間を減らす、という自戒の意味もあります…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (12)

ピアノに合わせた調弦 ヴァイオリン奏者はピアノの伴奏で演奏する機会が最も多いと思います。 調律士に聞いた話です。 コンサートグランドの場合、高音と低音の両端に向かって音程を幾分高く設定する。それによって鮮やかな感じが増す。 そのさじ加減はホー…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (11)

音階のモヤ靄を晴らす-4- 三度の音階の音程には、常に漠然とした難しさが感じられます。 一般的に三度の音階は練習を積んで、なんとなく問題を緩和した妥協的な音程で弾く結果となっているのではないでしょうか。 それはそれで一つの音律ではありますが、こ…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (10)

音階のモヤ靄を晴らす -3- アルペジオの音程は基本的に三度の積み重ねです。 ストレートな音階では旋律的音程を練習しますが、アルペジオは和声的音程の練習に使うべきです。 我々ヴァイオリン奏者は、単音で和声的音程を取ることになれていません。 昔を思…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (9)

音階のモヤ靄を晴らす-2- 和声的音程から旋律的音程に変えてみましょう。 前に書いた方法でA線上で、A,H,Cis,Dの和声的音程を取ってください。 CisをD–durの導音として高めに移動させて下さい。 和声的音程からどのくらい移動させたか、その距離を認識してお…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (8)

音階のモヤ靄を晴らす -1- 音階を練習している時には、少なからず音程に不安定な感じが伴うのではないでしょうか。 普通は繰り返し練習して音程を探るか、ピアノに合わせて音程を覚えたりしますね。 ヴァイオリンの習い始めを思い出してください。 最初に開…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (7)

音程測定機は使い方が肝心 音程測定機は色々と発売されていますが、使い方を間違えないようにしなければいけません。 ほとんどの音程測定機は平均律で設定されていると思うのですが、その説明がないものがほとんどです。 一部の音程測定機に種々の音律と基音…

ヴァイオリン 音階を学ぶ (6)

音叉に合わせる ヴァイオリンを習い始めた時は、自分で調弦ができないので、誰かが調弦をしてあげているはずです。 その後、自分で調弦をすることになりますが、その時点で音程測定機を使わないようにするべきでしょう。 もし、音感がまだ身についていない子…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (5)

ヴァイオリンの壺 「壺」を国語辞典で引くと「三味線や琴の勘所(かんどころ)」という意味が載っています。ヴァイオリンでは、壺が合っている、とか、壺がずれている、などの言い方で使います。 ヴァイオリンの五度を押さえる位置が4本の弦で横に一直線に揃…

ヴァイオリン 音程を学ぶ (4)

教則本にある嘘? 前回の(続き)の項を読んでくださった方の中には、ここまでやらなくも良いのではないでしょうか、と思った方もいるでしょう。 このブログを読んでくださったご父兄の方から次のようなメールを頂きました。 「ヴァイオリンを習い始めて1年を…