渡邊穣のブログ

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ヴァイオリン 音程を学ぶ (12)

ピアノに合わせた調弦

ヴァイオリン奏者はピアノの伴奏で演奏する機会が最も多いと思います。
調律士に聞いた話です。
コンサートグランドの場合、高音と低音の両端に向かって音程を幾分高く設定する。それによって鮮やかな感じが増す。
そのさじ加減はホールの大きさやソロかオーケストラの伴奏かによっても違う。 張力の問題であまり高くはできないとも言ってました。
個人の家に置いてあるピアノは、ほぼ平坦に調律するそうです。

さて、ピアノのAで調弦し始めた頃に、ピアノのAに音程の幅を感じた記憶がないでしょうか。
ピアノの調律士が調律をする時に、打鍵の瞬間の音では音程を判断しません。残響音を聴いて調律をします。打鍵の瞬間の音は音程が高くなるからです。
更にピアノのA線は3本あります。その個々の弦の音程を微妙にズラしてピアノの音色を創るのです。
ピアノのAに幅を感じたとしても間違いではありません。
私はピアノと一緒に演奏するは、打鍵の瞬間の音程に合わせて調弦するのがより適切だと考えています。

ヴァイオリンの五度調弦は、多くの人が広めに取る傾向があります。
A→D→Gと合わせていくので、特にGが低くなります。これは平均律のGより低いのです。
ですからピアノと一緒に演奏する場合は、五度を狭く、平均律調弦する必要があります。