渡邊穣のブログ

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ヴァイオリン 音程を学ぶ (1)

習い始めの時こそ音程の知識が必要です

ヴァイオリンとピアノの音程は違います

ヴァイオリンを習い始めた時にどうやって音程感覚を身につけましたか?
多くの人がピアノか何か他の楽器の音を聞いて、それを真似て音程を覚えていったのではないでしょうか。私もそうでした。 しかし、この方法を長く続けてはいけません。なぜなら、ピアノの音程とヴァイオリンの音程は違うからです。

ピアノの音程は一般に平均律と呼ばれていますが、専門的にはベルクマイスター、ルソーなど10以上の音律があり、調律士はそれぞれに自分自身の音律を研究し、持っています。 実際、コンサートグランドを扱う調律士が調律したピアノの音程が平均律であることはほとんどないのです。 若い新米の調律士が音程測定機を使って平均律で調律したピアノを弾いてみたことがあるのですが、その印象は楽器として平坦でつまらない感じがしました。

さて、ピアノの音程とヴァイオリンの音程が違うのは、ピアノの音程が固定したものだからです。この差は小さくありません。 私は子供の頃にヴァイオリンの練習をしていた時に音程に関して悩んでいました、(例えばC-durで)音階の「ミ」とアルペジオのミ、音階の「シ」とアルペジオの「シ」の音程が違ってしまう、ピアノのように綺麗に弾けない、と悩んでいたのです。 何度もピアノの音程を聴いて直していました。 さらには、開放弦に合わせればいいんだよ、という無茶苦茶なアドバイスをうけました。 これはどちらの方法も間違いです。

人間の聴力は6歳前後がピークだそうです。私の経験に照らしても、幼少期は440Hzと441Hzの違いが現在よりもはるかに大きく聴こえていたのです。 ですから、幼少期に音程の正しい知識を与えることはとても大切なことなのです。